現代の日本は、食生活の欧米化に伴い、昔に比べ体臭が強くなってきていると言われています。
また、清潔志向が強まり体臭に関しても敏感になっています。
ワキガと多汗症は、よく同じ治療や原因とその性質的な部分では近い関係にあるかと思います。
つまり、汗と臭いの関係という事になります。原因や治療法を紐解くとその関連性はご理解意ただけると思います。
さて、昨今「清潔」をテーマにした制汗剤や除菌消臭剤。「香り」に関する部分ではフレグランスや衣類の柔軟剤の香りのバリエーションの豊かさなど生活シーンで臭いの評価を気にすることが多くなってると思いませんか。
こと、人の発する臭いは動物的な魅力の部分であったり、その人のイメージなど切って離すことはできません。
しかし、強い個性はどうしても気になりがちです。
男性においても、臭いに関して悩みがあると対人関係で消極的になったり、コンプレックスを感じてしまうことがあります。
実際に体臭が強い方もいる中で、ほとんど臭わないが、極度に気にする「自臭症」のような方も居られます。
この臭いの問題は解消する事が可能な悩みです。「悩みは解決するほうが楽に生きれる」をスローガンにしておりますので、その解決につながるお話を進めていきます。
ワキガ・多汗症は適切な治療を受ければほぼ確実に改善されますし、その治療は医療機関や美容外科で受けることができます。
ワキガとは
ワキガ(腋臭)とは、ワキの下から出る匂いが体質的(遺伝的に)に特徴的(鼻につく匂い)で、人に不快感をあたえてしまう可能性のある症状をいいます。
脇の下にある「アポクリン汗腺」から分泌される汗の脂肪分が、表面の細菌によって分解され悪臭が発生します。
アポクリン汗腺のはたらきは思春期の頃より活発になり始め、60歳くらいまで続きます。
汗や皮脂腺の分泌もとまることなく、時間と共になくなることがありません。
欧米人の場合80%の方がわきが体質であるのに対して日本人の場合約10%と非常に少ないですが、片親がワキガですと約50%、両親ともにワキガだと約80%の割合で遺伝します。
しかし、ワキガはその原因がはっきりとしています。
原因を確実に取り除くかがポイントです。
ワキガ体質チェック ワキガ体質の3大特徴です。当てはまる人は要注意かも。 |
多汗症とは
汗のもとである「エクリン腺」が通常よりも活発に活動している状態が、「多汗症」の特徴です。
匂いは気になりませんが、だらだらとワキの下に汗が流れたり、ワキの下の黄ばみや原色のシャツなどを着た時にできる汗じみが気になるといった症状です。
多汗症はわきの下だけでなく、手足、顔といった場所にも起こります。
手がいつも汗ばんでいる方は、手の多汗症ということになります。
手の多汗症
人の視線や公の場に立った緊張などにより手の汗腺が刺激され、滴となってしたたり落ちるほどの発汗がみられる症状(通常では滴となるほど多量に放出されることは少ない)大抵は手術やある程度の努力で治すことができます。
腋(ワキ)の多汗症
頭部の多汗症頭部も、体温上昇で発汗したり交感神経の刺激で多量に発汗します。手や脇のように隠すことができなので、人と話していたり視線を感じてダラダラと汗が流れてしまうことで多汗症体質と見抜かれやすいです。また、手や腋(ワキ)ほど手術や努力で容易に治るものではありません。
ワキガ・多汗症の治療
ワキには、「アポクリン腺」と「エクリン腺」という2つの汗を出す腺があります。
エクリン腺は体中にある腺でサラサラした汗が出ます。
対して、アポクリン腺は栄養分を多く含んでいるので、ねっとりとした汗をかきます。
また、アポクリン腺はどこにでもあるわけではなく、耳の中、ワキ、胸の周り、おへそ、股と性感帯に分布しています。
これらアポクリン腺とエクリン腺を切除することでワキガ・多汗症の悩みは解消されます。
数回行わなければならないもの、しばらく運動が出来ないものもありますが、ワキガ・多汗症はほとんどの施術が日帰りで治療可能です。
ワキガ・多汗症の治療「ボトックス注入法」
ボトックス(BOTOX)という薬をわきの皮膚に微量注射するだけの、メスを使わない人気の多汗症治療法です。
ボツリヌス菌の毒素を利用した施術は、ニオイのモトとなるアポクリン汗腺の働きを衰えさ せ、汗量やニオイを軽減させます。
ワキに注射を打つだけなので施術時間が少なく非常に簡単です。
ただしボツリヌス菌の効果が衰えてくると汗腺が再度働きはじめるため、効果は半年~1年ほど(個人差はあります)。
強いワキガでない方はボトックスだけで効果が出ますし、露出の増える夏の間だけなど期間限定で汗やニオイを抑えたい方にもおすすめです。
※ボトックス注射は手のひらや足の裏の多汗症にも効果的です。
ワキガ・多汗症の治療「剪除法」
剪除法(せんじょほう)はワキの下に集中しているこの「アポクリン汗腺」を完全に取り去ってしまう施術法です。
ワキ下の皮膚を3~4センチ切開し、アポクリン腺を完全に除去してしまいます。
術後のケアには少し気を使いますが、確実に汗腺を除去できる治療法です。
重度のワキガ・多汗症に悩む人におすすめで、しかもほぼ完治でき、再発もほとんどありません。
剪除法はワキの汗が多い多汗症の方にも高い効果が出ています。
サーミドライ
サーミドライは、皮膚を切らずにワキガ・多汗症治療を行う最新の治療法(治療器の名称)です。
新しい治療方法として注目されています。
治療効果が高く、腫れや痛みがほとんど無いことも注目できます。
多くのクリニックがFDAに認可された医療機器の「サーミRF」を使用しております。
極細の注射針からカニューレを挿入して、においの原因となるアポクリン腺、多汗の原因となるエクリン腺を70℃まで加熱するので、確実にニオイと汗の量の原因を根本から破壊できます。
この施術で失われた汗腺は再生しませんので手術同様、半永久的な効果をもたらします。
また、切らないことで日常生活への復帰が早い(ダウンタイムが少ないと表現されています)ことも特徴です。
ワキガだけでなく、多汗症の治療にもとても効果的です。
ワキガ・多汗症の治療「シェービング法」
シェービング法は症状の程度に関係なく、ワキガ・多汗症を1回の手術で完治させる方法です。
症状の強い方でも治療効果は十分です。ワキの下を数センチ切開し、刃のついた器具を挿入して汗腺及び腋毛を皮膚の裏側からまとめて削り取る治療法です。
剪除法に比べて切開が小さいうえ、ほとんどの汗腺を除去できるので人気のある施術法です。
皮膚の生着に時間がかかるため、術後数日は腕を動かすのに注意が必要です。
治療時間は、2〜3時間程度で少し長い時間のイメージがありますが、極めて細い器具の使用を考えれば仕方ないかと思われます。
時間よりも、傷あとが残らないこと、
ワキガ・多汗症の治療「吸引法」「超音波法」
吸引法、超音波法は共に、アポクリン腺・エクリン腺を吸い出していく方法です。
吸うだけなので、取り残しが多いのが欠点です。
超音波も確実性という点ではまだまだ問題が多いです。
ワキガ・多汗症の治療「電気凝固法」
電気凝固法とは永久脱毛でよく用いられる方法で、アポクリン腺と皮脂腺を電極針を使って焼き、破壊、凝固させる治療法です。
約半年から一年と治療に時間がかかりますが、永久脱毛を一緒に行えるのがポイントです。